ラーメンはすぐのびてしまうのに、
うどんは煮込んでも大丈夫なのはなぜか?
おっとそのまえに、
「煮込みラーメン」の存在が、目の上のたんこぶなので、
先に片付けておきます。
これは予想ですが、「煮込みラーメン」は、
化学的には、ラーメンではありません。
細めのスパゲティーか、こんにゃくです。
たぶん、こんにゃくではないので、
スパゲティーに近いものでしょう。
あるいは、うどん粉に卵黄をまぜて、黄色くする手もあります。
うどんやスパゲティーには、
でんぷん質以外に、たんぱく質のグルテンを
たくさん含んでいます。
グルテンというのは、小麦粉を水でこねたときにできる、
網目状の分子のことで、ちょうど、
ハンカチなどを対角線の方向に引くと伸びるように、
伸び縮みする分子です。
その網目の間にでんぷん質を捕まえてくれるので、
でんぷん質がばらばらになるのを防いでくれます。
そばのつなぎにうどん粉を使うのも、
それが理由ですよね。
そばのたんぱく質はグルテンにはならず、
小さな分子のままなので、つながりにくいわけです。
だから、そばも早くのびます。
ラーメンはどうなのか?
ラーメンも、うどんと同じ小麦粉を使っていますが、
「かんすい」を使うかどうかの違いがあります。
「かんすい」というのは、
炭酸ナトリウムや炭酸水素ナトリウムなどを含む、
アルカリ性の液体です。
昔は苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)が使われていたこともあるそうです。
うどん粉にかんすいを加えて練ると、黄色っぽく変色して、
グルテンがばらばらになります。
そのため、普通のうどん粉とは違って、
伸ばそうとしても、プツッと途中で切れるようになります。
その結果、ちょうど日本そばと同じような性質に、
変わってしまうんですね。
日本でラーメンがヒットしたのも、
そんなところに原因があるような気がします。
いま食事中の方は、この先を読まないでくださいね。
ここからは、トイレ掃除に塩酸をつかっていた、
昔住んでいた下宿のおばあちゃんの話です。
そのおばあちゃんに、水酸化ナトリウムを薦めたら、
えらく気に入ってくれたようなのですが、
よく考えてみると、住宅用洗剤の、
「カビキラー」「カビハイター」などは、
水酸化ナトリウムの1%水溶液です。
1%の水溶液でも、手につくとぬるぬるするのは、
手の表面のたんぱく質が、分解されてしまったからです。、
そんなわけで、トイレの汚れにも、
雑菌などのたんぱく質が関係しているため、
アルカリが効くわけです。
そんなところが、ラーメンとトイレ掃除の関係です。
あまり、デートのときにできる話題じゃないですが、
知っていて損はないと思いますよ。