僕のうちには、テレビがありませんでした。
もてなしてあげたいけど、あるといえば、CDラジカセと、
15インチの液晶ディスプレイのついた、パソコンだけ。
あとは、ムダ話で勝負しようと思いました。
僕は、その女子高生がくる前に家へ帰り、
帰りがけ、僕の妹も大好きだった、ケーキを買っておきました。
万全です。
紅茶を振る舞って、
その頃持っていた、唯一のDVD
アポロ13を一緒にみました。
肩を抱き合ったりは、
しません。
コタツで向かい合って勉強机の方を向いていたので。
結局、15インチのパソコンを眺めているのも飽きて、
本題に入ります。
バカ話をたくさんしました。
彼女のクラスの、有名人の話。
彼女の、部活の話。
部活の話といえば、
僕が、陸上部の部員と一緒に、周辺の山道を走っているとき、
養蜂場の近くの道路に、蜂が数匹、飛び交っていました。
一応、回り道をすることは、できます。
そこで僕は、突破を試みました。
猛ダッシュ。
蜂をうまくはらいながら、駆け抜けたと思ったところ、
頭頂部に、鋭い痛み。
しまった、髪の毛の間に、紛れ込んだ蜂がいる。
蜂の、一刺し。
「だめだめ、みんな、迂回しよう」
みんなを迂回させます。
頭頂部に触れると、こぶになっていました。
針って、本当にあるんですね。
走りながら、そのパンパンに腫れたこぶから、
とげのようなものを、抜いたのを覚えています。
こぶの大きさは、巨大になって行きます。
ミツバチが、必死の思いで刺し殺そうとした僕。
次第に大きくなっていく、頭頂部のこぶは、どうなるのか??
このまま、顔面まで達してしまうのか??
しかーし。
運動中のため血流がはやく、
蜂の毒はすばやく身体中に回ってしまい、
学校へ戻ったころには、
頭頂部のこぶはなくなり、
痛くも痒くもなく、
治ってしまっていました。
その代わり、
真似をする子が出てこないように、
念のため注意しておくけれど、
蜂の毒が、身体中に回ると、
すごく、気持ちがいいです。
というか、
死ぬかと思いました。
どっちなんです?
もう忘れてしまいましたが、
けっこう、心臓にも来たような気がするので、
本当に、やめたほうがいいです。
これは、一応、武勇伝のようですが、
失敗談として、話したんですよ。
彼女を、げらげら笑わすのに、成功しました。
そろそろ、真面目な話に入りたいな。
そう思いつつ、
結局、彼女は本題に入ることなく、
ムダ話で終わってしまいました。
少し、書き換えたので、次回につづきます。